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事務局より

清水真哉

 自動車運転過失致死傷罪が、この07年6月12日から施行されました。また飲酒運転をより厳しく罰する改正道路交通法も9月19日施行となります。(酒酔い運転の最高刑がこれまでの懲役3年から5年に、酒気帯び運転が懲役1年から3年にそれぞれ引き上げられ、運転者と一緒に酒を飲んだ同乗者や、運転者に酒や車を提供した人を直接罰する規定が新たに設けられた。)しかし猶、法整備は満足のいくものとはならず、新たな署名活動が行われています。
 遺族の方々を中心とした署名活動では、「厳罰化」を専ら求め、罰則の内容については当局に一任という運動を続けた結果、罰則強化を通じた事故件数の減少という成果を得たのは確かですが反面、発端となった事故に偏した法改正がなされ、交通事犯に関する継ぎはぎの法体系ができあがってしまいました。
 現在行われている飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める署名活動においても、「現行より厳罰化する法律の改正を検討していただきたく思います。手段、方法は限定しません。」と、立法の内容に関しては白紙委任という運動のあり方になっています。これでは本当に自分たちが望む制度が得られるか不確かです。
 その一方、厳罰化批判をする人が出てくるようになりました。しかし例えば、この07年8月30日に施行された「映画盗撮防止法」の罰則を見ても、「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」となっています。経済犯にしてこれだけ厳しいのです。
 私たちは今からでも、他の犯罪の量刑との比較をしつつ、交通犯罪に対処する法体系はいかにあるべきかを自ら考え、社会、行政、立法府に対してあるべき姿を提案していくという形の運動を行うことにより、自動車と安全に共存できる交通環境を保障する交通法体系を実現していく必要があるのではないでしょうか。
 法体系全体の中での適切な量刑を量った結果として、刑の引き上げがなされるというのが望ましい形と思います。