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事務局より

清水真哉

 クルマ社会を問い直す会では自公政権の高速道路週末千円政策、および民主党の公約である高速道路無料化に反対の姿勢を表明しています。しかし私たちのこの主張は、実は二つの意味で矛盾を含んでいます。
 現在の高速道路料金が高いことの主たる理由は、プール制と呼ばれる仕組みにより、徴収された料金を新規の高速道路建設に回しているからです。高速道路料金を高いままにしておけという主張は、道路建設に関わる人たちには都合の良いものとなるのです。
 無論、これ以上の道路、高速道路の建設はあってはならないことです。現在の高速料金の収入は新規の建設資金には回さず、これまでの道路建設の負債の返済にもっぱら回さなくてはなりません。
 では、道路建設のための借入金をすべて返し終わった後の高速料金はどうあるべきなのでしょうか。ここに私たちの主張の二つ目の問題点が隠れているのです。
 今の高速料金の高さが自動車利用を抑制する効果を有していることが、高速料金引き下げ政策により浮かび上がってきました。しかしこれは料金プール制により高速料金が高止まりしていることの副次的効果であり、始めから高速道路の利用を抑制することを目的に高額の高速料金を設定している訳ではないのです。
 ですから新規の道路建設をせず、過去の借り入れも返し終えたら、高速料金が道路の維持管理に必要な程度の額にまで引き下げられることは自然なことと言えます。
 しかしそれでも高速料金が大幅に下がれば、現在の高速道路週末千円が引き起こしているフェリーや高速バスや鉄道の利用者減少という事態はやはり起きて来るでしょう。その時にも私達は公共交通の経営安定という目的のために、本来の必要経費以上に高く高速料金を設定せよと主張できるでしょうか。これは不可能ではないにしても理論づけることは簡単なことではありません。また、その料金収入を何に用いるのかという問題も出て来ます。自動車利用抑制のためならガソリン税の引き上げや炭素税等の方法も選択肢としてあり得るわけです。
 そもそも道路ばかり高規格のものを造り過ぎました。その一方で鉄道は前近代的な設備のまま放っておかれ、料金もサービスに見合わず高すぎます。これでは公共交通が自動車に負けるのも無理はありません。鉄道に税金を入れて、つくばエクスプレス並みの高規格に作り直した上で適正な乗車料金に抑えることにより、高速道路に対して競争力を付けさせるという方策も必要です。
 少し気の早過ぎる議論をしたかも知れません。
 我々が今、本当に主張すべきことの第一は、高速道路の新規建設をきっぱりと止めること、第二にこれまでの道路建設の借り入れを税金ではなく料金収入により支払わせることです。
 それから忘れてはならないことは暫定税率を廃止させないことです。これも道路建設に使われるのでは何のために廃止に反対するのか分かりませんから、一般財源化を徹底させることが大事です。これらを私達は粘り強く訴えていきたいと思います。