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各党担当者 殿

 

公共交通機関の税の減免に関する意見書

 

2015年3月26日

クルマ社会を問い直す会

 

 各党担当者様

 我が国では、2014年4月に消費税が8%に上げられましたが、2017年4月にはさらに10%に上げられることになっています。消費税は、水平的公平に税負担を求めることが出来ますが、所得に対する負担割合は逆進的となり、低所得者にとっては相対的により高い税率になるという問題があります。そこで人が生活していく上で不可欠で、低所得者も購入する食料品などの生活必需品に対する軽減税率の導入が議論されていますが、私たちは鉄道・バス・船舶などの公共交通機関を利用する場合の税を減免することを提案いたします。

 公共交通機関を利用する場合の税を減免するべきであると考える理由は次の通りです。

(1)公共交通機関は生活に不可欠なサービスである

 鉄道やバスなどの公共交通機関は、自動車を利用できない人(すなわち免許を取得できない小中高生などの若年層、一時的あるいは永続的に体に障害があり運動能力に不足がある人々)や経済的制約などから自動車を利用できない事情がある人々が移動するためにはなくてはならないものです。また、自動車を利用できる人にとっても、公共交通機関は事故の危険性が少なく、より安全な移動手段として社会的に重要な存在です。高齢化が進み、自動車の運転が困難になっている人が増加(多くの自治体では高齢者に対して運転免許証の返納をすすめています)するとともに、学校の統廃合などにより、遠方に通学せざるをえない児童・生徒が少なくない現在ではよりその重要性は増大していると考えられます。すなわち公共交通機関は、食料品が生活必需品であるのと同様に、人々の生活に必要不可欠で重要な基礎的サービスなのです。このような基礎的サービスについては、利用者の負担を軽減するために税を減免する必要があると考えます。
 実際に、公共交通機関が国民にとって不可欠なサービスであるという認識が一般的となっているヨーロッパの国々では、早くから公共交通機関に対して税の減免を適用しています。たとえば、イギリスでは0%(標準税率17.5%)、フランスでは5.5%(標準税率19.6%)、ドイツでは7%(標準税率19%)、デンマーク0%(標準税率25%)です。

(2)地球温暖化対策

 近年、温室効果ガスの排出の増加が続くとともに地球温暖化が急速に進んでいます。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、温暖化による環境の激変を避けるには、2050年までに温室効果ガスの排出量を40%〜70%減らさなければならないとしています。特に今年は、年末にパリで気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催される予定ですが、これは京都議定書の次を形作る大きな節目の会議になるといわれています。そして日本を含むすべての国が温室効果ガスの削減目標を設定し公表することになっています。日本は国際社会でイニシアティブを発揮するためには意欲的な削減目標を設定し、具体的な行動を起こさなければなりません。まず国全体の二酸化炭素排出量の2割弱を占める運輸部門からの一層の削減を進める必要があります。そこで、温室効果ガスの排出の多い自動車から、それがより少ない公共交通機関へのモーダルシフトを少しでも進めることが必要であり、公共交通機関への税の減免はその一助となると考えます。
 自動車は日本の運輸部門からの二酸化炭素排出量の約9割を占めています。また1人が1km移動する際に排出される二酸化炭素量は、自家用自動車と比べて鉄道は約8分の1、バスは約3分の1です。「地球温暖化対策の推進に関する法律」及び「交通政策基本法」でも「公共交通機関の利用者の利便の増進」が定められています。

(担当・クルマ社会を問い直す会世話人・林裕之)



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