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2009年5月6日

 

「自動車購入補助金に反対する声明」

 

クルマ社会を問い直す会(代表・杉田正明)
持続可能な地域交通を考える会
自転車スイスイ(東京都小平市)

 

 現在、国会で審議されている2009年度補正予算の追加経済対策に自動車購入補助金なるものが含まれている。これは先の高速道路土日千円に続いて、自動車という特定の交通手段、産業に対する偏向した支援である。
 この世界的な不景気にあって、たしかに自動車業界の落ち込みは顕著である。
 しかし自動車は交通事故により多大な犠牲者を生むとともに、地球温暖化と大気汚染の主因であり、公共交通機関の減便・廃止や商圏の大規模化による身近な商店街の衰退などを招いている。
 一方、自動車は利用者にとっても、飲酒後は乗れず、石油価格の変動により利用が制約されるなど、その不便さが感じられ始めている。近年はとりわけ若者の間で、趣味としてのクルマの人気が低下してきたことも指摘されている。
 それに加え、都心居住の進展により自動車がなくとも暮らせるようになってきたり、カーシェアリングなど保有によらない自動車の新しい利用法が現れてきたことや、自転車通勤が新しい生活スタイルとして拡がってきたことなども合わさって、自動車の売上不振に輪を掛けている可能性がある。これら全てのクルマ離れと言える動きは、時代に合わせた国民および市場の選択である。
 ところが自動車購入補助は、こうした市場の選択を歪ませ、今後向かうべき時代に逆行する。
 エコカーへの乗換えと言うが、環境にとっては自転車や公共交通機関の方がより良いことははっきりしている。軽自動車で5万円、12万円といった額の補助金が出るとなると、自転車なら高級車を無償供与できてしまう。鉄道やバスの無料乗車券を配布することも可能であろう。
 しかし今度の政策では、自転車や公共交通、カーシェアリングなどを利用している人たちには一切恩恵がない。自動車という環境や社会に負荷を与える乗り物に、環境対策を装って補助金を出すことの欺瞞は明らかである。
 更にこの自動車購入補助の財源になる税は、自動車に乗らず環境に負荷を掛けない生活を心掛けている人、自動車を経済的・年齢的・身体的等の理由で持てない人も等しく負担せねばならない。このような不公平な政策は、納税意欲の著しい減退を招くものである。
 自動車購入補助に予定されている約3700億円のお金は、地方鉄道の近代化や新型路面電車ならびに自転車道の整備、都市機能の中心市街地への集約化など、自動車なしで暮らしていける社会基盤の構築のために用いることが適切である。
 以上、クルマ社会を問い直す会、持続可能な地域交通を考える会、自転車スイスイの三団体は諸賢に、国会での審議において自動車購入補助金の導入を見送る英断をされることを求めるものである。

(担当・クルマ社会を問い直す会世話人・清水真哉)



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