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クルマ問題と交通政策に関する政党アンケート
 〜 2009年総選挙にあわせ政策を問う 〜

最終更新日:2009.08.31

衆議院の解散・総選挙の機会に、主要8政党に宛てて 4章17項目の政策アンケートを実施しました。回答状況とその内容は次のとおりです。あらゆる人の日々の生活に密接に係わる交通分野では、どの政党がどんな政策を持っているのか。皆様の政策選択のご参考にしていただければ幸いです。

発送時点にて、政党助成法の政党要件を満たし次期総選挙に候補者が立つ見込みとなっていた全政党。また、アンケート締切後に結党した みんなの党 には、後日FAXで質問書を送る追加対応を行いました。

2009.08.31: みんなの党 への対応を追記、一部回答の誤字訂正、無回答政党の政策へのリンク追加、および回答へのリンクが分かりやすいよう移動をしました。

回答内容・回答状況 質問内容 担当者所感 報道発表資料 関連リンク

回答内容

回答状況

回答あり:民主党公明党日本共産党社会民主党国民新党
(リンクをクリックして各政党からの回答内容をご覧いただけます。)
上記5政党からご回答をいただきました。ありがとうございました。
無回答:自由民主党、改革クラブ、新党日本、みんなの党
各党の政策ご担当者様に質問書を郵送するとともに電話を差し上げてお願いし、ご検討いただきましたが、残念ながら、回答できない、対応できない等のお返事をいただくか、投票日までに回答をいただくことができませんでした。
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質問内容

前回同様、二択で回答できる質問を設けるとともに、関連する自由回答欄を設け、各党の政策ご担当者様に自由に所見を書いていただく形にしました。

質問書は 7月27日に速達便で発送し、締切日を 8月 4日、ご回答期間を約1週間としました。回収方法は郵送(返信用封筒同封)、FAX、電子メールのいずれかにより、文書での回答をお願いしました。

また、その後に結党した みんなの党 には、8月20日にFAXで送付し、ご検討いただきましたが、回答は得られませんでした。

質問内容は、2005年9月のアンケートでの質問とそのご回答を当会会合で詳細に検討し、2005年時点から進展のあった政策、なかった政策に分け、進展していない政策を中心に詳細な質問をするとともに、近年懸案になっている歩行者・自転車利用者の事故被害増加、自動車税制、公共交通の維持・活性化、PM2.5 環境基準設定、地球温暖化対策などの最新事情を取り込みました。

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担当者所感

総論

まずは、各政党の政策ご担当者様には、総選挙を控えたご多忙の折りにもかかわらず丁寧なご対応をいただき、ありがとうございました。今回の総選挙は「政権選択選挙」との指摘も挙がり、選挙前にマニフェスト(政権公約)を掲げることも定着してきました関連リンクを参照)。こうした中、各党が掲げる政策に注目が集まっていると感じています。

有権者から見れば、政策本位の選挙になって選挙への関心が高まる半面、多岐に渡る公約を有権者一人一人が精査することは大変な場合もあるかとは思いますが、その中でクルマ社会を問い直す会では、日頃より取り組んでいる道路交通・地域交通分野で注目したい政策分野を選び、各党の政策ご担当者の皆さんに政策展望をお聞きしました。様々な争点のある中とは思いますが、毎日の生活に欠かせない交通をより安全・快適で人と環境にやさしいものにしてくれる政党はどこか、そんな視点からも各党の政策を比較検討していただけたらと思います。

ところで、今回の質問の主題である、自動車の安易な利用が私たちの生活に及ぼしている影響や問題点は多岐に渡りますが、その中でも交通事故・交通犯罪、環境問題(公害、地球温暖化、およびエネルギー問題を含む)、公共交通や自転車など代替交通手段の利用促進、および現在提案・実施されている政策への評価の 4部構成とし、17項目に絞り込むとともに、より具体的なご回答をいただけるよう、各質問を設けたいきさつなどの解説を添えました。

まず単回答を見ると、今回ご回答いただいた全政党が賛成・具体策を持っていると回答した(単回答欄に○が付いている)項目は、2-1「クルマ以外の交通手段への転換促進策」と、3「公共交通・自転車利用環境の充実」の全項目でした。また、4-1「交通権」についても全政党が何らかの形で法制化が必要と考えておられるようです。

このような全体像を踏まえ、以下で具体的に見てゆきたいと思います。

歩行者・自転車利用者の安全・安心

日本では欧米諸国に比べて歩行者・自転車利用者が被害者になる交通死者の割合が極めて高い(2007年度で48.2%、『クルマ社会を問い直す』56号29ページを参照)という異常事態がより顕著になったことを受け、あえて歩行者・自転車利用者の安全確保に絞った質問を行いました。

当会の提案に対し、各党からは概ね前向きなご評価をいただきました。当会が掲げる「クルマ優先でなく人優先の社会へ」という目標とその必要性が、多くの皆さんに理解されていると感じます。 しかしその半面、世論の関心が低いということなのか、または争点になりにくいためなのか、今回の総選挙に際し各党が発表している政策・公約を見ても、歩行者・自転車利用者の安全を念頭に置いた政策はなかなか見られません。

今回のアンケート結果で、各党の共通する部分と、違う部分が、見えてきたように感じます。もちろん共通する部分では迅速な実現に向け各党にご努力いただくとともに、今後検討・評価をしますとのご回答もいただいていますので、次の国政選挙では政策の柱のひとつに加えていただくことで、交通の安全・安心への取り組みを進めていただければと期待するところです。

環境・公害・エネルギー問題の改善

地球温暖化は世界に共通する課題となっており、今回ご回答いただいた全ての政党が温暖化対策を必要と考え、何らかの形で政策に掲げておられます。また、その一環でクルマ対策が必要と考えておられる点も共通しています。

具体的には、鉄道やバスなどの公共交通機関の利用促進、貨物ではモーダルシフト(自動車から鉄道、船舶への移行)が必要と考えておられる点が各党に共通しており、この部分では各党で連携しての実現に向けた取り組みを期待したいところです。

半面、自動車関連税制の扱い、とりわけ自動車の外部費用に対する考え方など、各党で差が見られました。こうした点は当会でも扱ってゆきますし、皆さんに検討を深めていただきたい分野です。

公共交通・自転車利用環境の充実

各党とも公共交通の必要を認識され、特に地方部において縮小・廃止が相次ぐ公共交通の維持・再生に向けた具体的な政策が示されました。

また、既存公共交通を補完・充実させる具体策として、LRT(次世代型路面電車、軽快電車)やコミュニティ交通に関心が高く、特にLRTについては多くの党が支持されています。日本ではここ数十年、欧米諸国に比べて路線の新設・延伸が非常に少ない現状ですが、各党に取り組んでいただければLRTの活用が進むのではと期待されます。

自転車に関しては、日本は欧米諸国に比べて利用者に支持されている(分担率14%)割りに、走行空間の不足などが問題になっています。こうした事情を踏まえ、自転車道の整備や道路空間の再配分を含めた必要性を認識されている政党が多いようです。これも私たちの生活の安全・快適に直結する課題だけに、既にお持ちの政策を実現していただくとともに、指針づくりなどに積極的に取り組まれることを期待します。

総合的な交通政策

この中で全ての党が一致したのは「交通権」の確立・法制化が必要という部分です。国内では交通権学会さんが提唱される「交通権憲章」や、民主党・社民党の「交通基本法」などが提案されていますし、また今回の自由回答でもご説明いただいているように、欧州諸国を中心に生存権などから派生する権利として浸透しています。 日本でも、憲法が保障する生存権の一環として、また国が総合的な地域交通政策を持つ必要があるとの観点からも、総合交通政策に関する議論が待たれるところです。

また、今年より実施されている政府の「高速道路料金の大幅引き下げ」により鉄道、路線バス、フェリーなどの公共交通機関に深刻な影響が出ていること、さらに先頃実施された「エコカー」減免税に関する疑問点を問うてみました。ここでは各党の意見が大きく分かれ、たとえば「高速値下げ」では、強化(無料化)、公共交通への補助実施、取りやめと方針が大きく割れました。これらの政策については当会も精査し意見書を提出するなど取り組んできましたが、今後も引き続き動向を注視し、取り組んで行くべき課題だと感じます。

まとめ

このように見てゆくと、各論では様々な議論があるものの、私たちの目指す「クルマ優先でなく人優先の社会へ」という目標とその必要性が、多くの皆さんに理解されていると感じられます。 あとは、ここでお示しいただいた様々な具体策が、選挙後にどのように実現されるか。ご検討いただいている具体策がどうなるか。今後の課題です。

こうした状況で、私たちには何ができるか。もちろん様々な問題への関心を高めてゆくことも必要でしょうし、各党にご提案いただいた政策のうち良いと思ったものを応援し、逆に問題だと感じたものは検証してゆく。そんな努力の積み重ねも、私たちに求められているように感じます。

選挙期間は、政策の議論を進める絶好の機会でもあると思います。政策本位の選挙をいっそう進展させるためにも、私たちはもちろん投票へ行くことも必要ですし、政党・候補者の皆さんに政策提案を求め、あるいは提案してゆくことも、求められているように感じました。

(文責:政党アンケート担当 井坂)

報道発表資料

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各党の政策・公約

(無回答・未回答)

過去に実施したアンケート

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